黒い尿が出るのは重篤な病気?絶対に気を付けたい原因!
日常生活の中で、尿に関するトラブルは多くあると思います。
頻尿や尿の勢いが弱いなどから始まり、尿が泡立つ、尿が出ない、血尿など様々あるかと思います。
そんな尿のトラブルですが、突然黒い尿が出たというご経験はありませんか。
黒い尿が出るとビックリしますが、その原因は腎臓病など重篤な病気かもしれません。
腎臓病は放置しておくと、腎不全を起こし、一生人工透析を行わなければならなくなりますので注意が必要です。
そこでこの記事では、黒い尿が出る原因やその対処法を解説していきたいと思います。
IgA腎症
IgA腎症とは、腎臓の糸球体に免疫グロブリンという蛋白が沈着し、糸球体の毛細血管を少しずつ壊して、最終的には腎不全に至る状態を言います。黒い尿は初めのうちは頻度は少なく、1~2週間に1回程度なのですが、徐々に頻度は増え、血尿が出るようになります。
腎不全を起こしてしまうと、その後は一生人工透析を行わなければならないため注意が必要です。
この病気は、原因が特定されておらず、国の難病にも指定されています。
対処法
一度腎臓の機能が失われてしまうと、その機能は改善されることはありませんので、これ以上腎臓に負担をかけないようにするため、カロリー制限、蛋白質制限、塩分制限を行います。また、睡眠不足や不規則な生活も腎臓に負担をかけるため、規則正しい生活を心がけ、十分睡眠を取るようにします。
過度の運動(サッカー、野球、ラグビー、テニス等の激しいスポーツ)も腎臓に悪影響を与えるため注意が必要です。
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尿路結石
尿路結石とは、尿の中の結晶の成分が集まり、石のように固くなって塊になる状態を言います。この塊は、小さいもので腎臓の中にあれば症状はありませんが、腎臓や尿管で大きくなることがあり、そうなると腎臓や尿管を傷つけて、排尿時に出血や痛みが出ます。
状態によっては黒い尿が出ることもあります。
対処法
塊が小さければ、痛み止めを服用しながら、自然に塊が体外に出るのを待ちます。塊が体外に出てしまえば問題ありません。
しかし、塊が大きく、尿管で詰まってしまい、腎盂腎炎や尿毒症を起こしたり、出血や痛みがひどい場合、この塊を取り除く手術を行います。
関連記事:尿路結石の腰痛が長引く!夜になるとお腹が痛い時も注意!
膀胱炎
膀胱炎とは、細菌感染により、膀胱が炎症を起こしている状態を言います。膀胱炎の症状は、排尿時に下腹部が痛む、トイレが近い、尿が濁るのが特徴です。
重症化した場合には血尿、黒い尿が出ることがあります。
大腸菌などの細菌が尿道から膀胱に侵入し、膀胱で増殖して膀胱が炎症を起こします。
対処法
細菌の増殖を抑えることを目的として、抗生物質を使用します。ほとんどの場合、3~5日程度で症状は改善します。関連記事:女性が膀胱炎になる原因4つ!具体的な症状も徹底解説!
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前立腺炎
前立腺炎とは、尿の中の細菌が前立腺で増殖し、前立腺が炎症を起こしている状態を言います。この病気は、38度以上の熱が出る、排尿時の痛み、トイレが近い、尿が濁る、残尿感があるのが特徴です。
重症化した場合には血尿、黒い尿が出ることがあります。
対処法
細菌の増殖を抑えることを目的として、抗生物質を使用します。重症化すると、細菌感染が全身に起こる場合があり、このような状態になると入院治療が必要です。
また、炎症がひどく、尿路が塞がれている場合、尿道カテーテルを留置する場合があります。
関連記事:男性が膀胱炎になる3つの原因!気になる症状も徹底解説!
膀胱癌
膀胱癌とは、膀胱に癌(悪性腫瘍)ができた状態を言います。
痛みのない血尿が特徴ですが、黒い尿が出る場合があります。
対処法
癌の根の深さにより対応が異なります。根が浅い場合、内視鏡手術により、癌を摘出します。
癌の根が深い場合、膀胱癌が再発することが多く、膀胱内に抗がん剤を注入したり、外科手術を行う場合があります。
関連記事:尿に血の塊?真っ赤になる原因となる病気を解説!
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尿管癌
尿管癌とは、尿の通り道に癌(悪性腫瘍)ができた状態を言います。血尿や黒い尿が出るのが特徴で、60代から70代の男性に多く見られます。
尿管癌の原因は特定できないことが多いですが、尿路感染症、尿路結石との関連が考えられています。
対処法
癌のある尿管とその尿管のついている腎臓、腎盂、膀胱の一部を切除する手術を行います。尿管癌が見つかったときには、腎盂にも癌ができることがあるため、同時に切除します。
癌がすでに他の臓器に転移していたり、手術が難しい患者さんの場合、抗がん剤を主に使用します。
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まとめ
尿のトラブルの中でも、黒い尿が出る原因としては重篤な病気もあるため早期発見が重要です。毎日トイレで排尿をしたときには尿の状態を確認する癖を付けると良いかと思います。
色などの異変にいち早く気が付くことができると、その後の対処も大きく変わってきます。
そして、気になる症状が出た場合は、早めに医療機関を受診しましょう。