腸が張る!押すと痛いのはガスや便秘だけが原因じゃない!
「お腹(腸)が張ってしまって苦しい」という症状はよくあるものですが、実は単純にガスが溜まっていたり、便秘になっていたりというわけでは無いこともあります。
そのうち治るであろうと、様子見をしていると実は深刻な病気であったということも考えられます。
そこでこの記事では、お腹の張りから考えられる病気について紹介していきたいと思います。
胃炎
タイトルは「腸が張る」となっていますが、たまに、腸が張っていると言っていても実際には胃に問題があるという場合があるので触れておこうと思います。胃炎は暴飲暴食やストレス、ピロリ菌、食中毒などが原因となって胃の粘膜に炎症が起こり、みぞおちのあたりが傷んだりします。
胃の機能が低下するため、お腹が張ってくることもあり、さらに吐き気や嘔吐、下痢、吐血、下血を起こすこともあります。
また、胃炎には急性のものと慢性のものがありますが、慢性のものでは進行すると胃潰瘍、胃癌にまで発展してしまうことがあります。
特に、慢性的なストレスが想定される、胃炎症状のある人でも実は胃癌であったというケースもあるため、定期的な検診が重要になります。
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過敏性腸症候群
あまり聞き慣れない病気かもしれません。これは、小腸や大腸に器質的な病変(ポリープや腸閉塞などの肉眼的な異常)が見られないものの腹痛や腹鳴、下痢、便秘、大量のガス貯留が起こる疾患のことです。
思春期や中年の女性、30歳代の男性に多く見られ、昨今では増加傾向にあると言われています。
原因はよく分かっていませんが、ストレスや社会環境を中心とした心理的要因が増悪因子(悪化させる要因)となっていると考えられています。
特徴的なのは排便によってこれらの症状が軽くなるということです。
症状について詳しく解説していきましょう。
数ヶ月異常に渡ってはじめに紹介したような症状が続きますが、下痢は水様性といって水っぽい便が見られます。
また、便秘はウサギの糞のような、硬い便が出てくることが特徴です。
さらに、発熱や血便、体重減少などは見られません。
検査ではレントゲンにて腸管にガスが溜まっているのが見られることが多いですが、腸閉塞などを疑って内視鏡をやってみても原因となるような異常は発見できず、血液検査でも目立った異常は見られません。
治療としてはまず周囲環境に対する不安の除去を行い、その上で規則正しい生活や暴飲暴食の是正を指導したり時にはお薬を使用したりします。
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腸閉塞
イレウスと呼ばれることもあります。腸閉塞は色々な原因がありますが、共通しているのは腸管内容物の肛門の方への通過が障害された状態であるということです。
大まかに分類すると機械的イレウスと機能的イレウスとに分けられ、機械的イレウスは腸管の内腔が物理的に閉塞されるもの、機能的イレウスは腸管の蠕動運動(内容物を肛門の方へと送ろうとする腸管の動き)が低下することで腸管内容が停滞するものです。
頻度としては機能的イレウスが約90%を占めており、原因として手術による腸管の癒着や大腸癌(後に詳しく解説します)が挙げられます。
症状には間の空いたような(間欠的な)腹痛、吐き気、嘔吐、排ガス・排便の停止、脱水などが挙げられます。
便秘があることから下剤を飲まれる方もいらっしゃいますが、下剤は腸管内の水分量を大きく変動させてしまい、症状が悪化するため控えるべき薬剤の一つですので自己判断で服用することは危険です。
治療としては食べ物、飲み物を一切取らず、鼻からチューブを入れて町の中身を吸い出し、その上で点滴によって脱水と電解質の補正が行われます。
これらの保存的な治療が無効な場合には手術が行われる場合があります。
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大腸癌
大腸癌は大腸の管の内側にポリープのように突出してくる病変で、50歳代から70歳代に多い疾患です。かつてはそれほどという感じでしたが、近年は食の欧米化に伴って増加傾向にあります。
早期には無症状であることが多く、その場合には検診で便潜血を指摘されて発見されることが多いです。
進行すると腹痛や下痢、便が細い、血便、下血などが見られ、腫瘍が原因となるイレウスが起こってきます。
成人でイレウスを発見したら大腸癌やポリープを疑うべきだとも言われています。
それは命に関わる疾患で、かつ早期発見、早期治療によって延命することが可能な疾患であるためです。
治療は基本的に外科切除で、肝臓や肺への転移がある場合でも切除によってその後の経過が良くなると予想される場合には手術が行われます。
ただし、場合によっては抗癌剤を併用することもあります。
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まとめ
いかがだったでしょうか。ストレスやガスの貯留や便秘ならいいですが、今回紹介したような疾患がベースにある便秘などでは、時に命に関わってくることもあるということが分かっていただけたかと思います。
ただ、早期発見をできれば同じ癌でもその後の経過は全く異なるため、忙しくても時間を作り検診や病院を受診するようにしましょう。
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